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地方での勤務先傾向は?

地方での勤務先状況はどうなっているでしょう。都会に比べて地方での就業者数は少ないですが、地方独自の勤務先や、都会とは違った勤務先の動向などはあるでしょうか。

勤務先の種別は都会と大きく違うものはありません。やはり、病院勤務が一番になり、その他に診療所や医院・クリニック、保健所、老人福祉施設、障害者福祉施設、学校、企業、保育園等となります。人口が少ない分、勤務先数は減ってしまっていますが、看護師自体の数も少ないですので、都市部と傾向は似たようです。

【病院】
地方の場合、中核都市を除けば、病床100床以上の大病院は少ないのが事実です。しかしながら、病院数は地方の方が多いという結果が出ています。
厚生労働省発表の2012年医療施設動態調査によると、人口10万人に対する病院病床数は、最も高いのが高知県の 2476.2床で、続いて鹿児島県の2052.5床、熊本県1957.2床、徳島県1933.9床、長崎県1926.4床と軒並み中核都市の無い県が続きます。
逆に病床数の少ないところは、とみると、神奈川県の821.0床がもっとも少なく、続いて埼玉県の867.6床、愛知県909.8床、千葉県922.0床、東京都963.6床と大都市圏が続いています。東京が比較的多いのは、大病院が多いからです。
そこから考えると、医療報酬の関係から患者7人に対して1人の看護師の配置ですから、病院の看護師勤務者数は看護師の割合としてたいへん高いことになります。

【診療所・医院・クリニック】
こちらも病院と同じで、地方の方が多くなります。
2011年の政府による統計(e-Sat)では、人口10万人に対する一般診療所数のもっとも多い県が和歌山県の106.4、ついで島根県の102.8、長崎99.8と地方がつづきます。
やはり病院・診療所等の医療機関で働く看護師数がたいへん多いのが確認できます。

【保健所】
こちらは各自治体に必ず一つありますので、地方全体を見れば都市部よりも多くなります。ただ、人口比によりますので、相対的には少ない勤務者数になります。

【その他の勤務先】
まず、都会と圧倒的に違うのは企業での勤務者数でしょう。企業自体が少ないこともありますし、社内に看護師をおくような大企業も少なくなりますので、必然的に看護師の勤務者数は減ります。
老人・障害者の福祉施設も数自体は減りますので、勤務者数の割合が減ります。さらに、少ない看護師が病院に集中していることで、福祉施設に勤務する人が少なくなっています。この傾向は都会にも見られますが、病院の圧倒的な割合に対し、かなり少ないことは確かです。保育園・学校等も同様のことが言えるでしょう。